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江戸ビジネス
2019/05/08

江戸時代、三井越後屋はすでにブランディングを行なっていた!

kumi.kobayashi
ブログ

新緑の美しい季節になりました。

 

街を歩いていると、企業や店舗のロゴマークが、

ビルの屋上や壁面など、あちらこちらにみられます。

 

ロゴマークは、

企業のブランディング戦略に欠かせないもの。

各社ブランドイメージを広げるために様々な場所で活用しています。

 

実は江戸時代、

ブランディングの先駆けではないかと言える企業がありました。

 

その様子は、今でも浮世絵で見ることができます。

葛飾北斎が描いた「富嶽三十六景」の「江都駿河町三井見世略図」。

ご存知の方も多いのではと思います。

 

この富士山の両脇にある建物が、

現在の日本橋三越である三井越後屋です。

 

江戸時代に創業された三井越後屋は、

三井家の家紋である丸に井桁。

そしてその中に漢字の「三」を入れたデザインで描かれています。

 

三井越後屋は、このマークを企業のロゴマークとして、

あらゆるところで使用していました。

 

例えば、看板や現在のチラシのようなものの原型である引札や、

お客様に無償でお貸しした番傘など。

 

そしてこの番傘は、

今の時代のPRと思える秀逸なエピソードがあります。

 

雨が降った時、越後屋では、

お客様などに傘を無償で貸し出していました。

 

この時代、傘は大変高価なもの。

使える人は限られています。

ですので、みなさん傘を借り求めて家路につきます。

 

越後屋のアイデアは、

ただ傘を貸して恩を売る。というものではありません。

傘に、越後屋のロゴマークを描いていたのです。

 

想像してみてください。

雨が降った江戸の町は、

越後屋のロゴマークが描かれた傘の花が

たくさん咲いていたのではなかったでしょうか?

想像するだけでワクワクします。

 

「江戸中を越後屋にして虹が吹き」

という川柳も詠まれたと書かれています。

 

多くの人の目に触れ、

多くの見込み客に認知してもらうこと。

これは、ブランディングの大きな目的の一つです。

 

歴史から紐解くビジネスはとても興味深く、

現代ビジネスのヒントにもなりますね。 

 

 

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